サマリー
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば基本的には確定申告不要
- 退職金を受け取ったのみでは通常、確定申告の義務は生じない
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していても、確定申告を任意に行う場合には退職所得も含めて申告
- 住宅ローン控除で控除しきれなかった残額がある場合には、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していても、確定申告した方が有利な場合がある
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、高額の源泉徴収がなされているので、確定申告しないと損
問題の所在
- 12月末時点で退職済みで会社に在籍していない場合には、年末調整が受けられない
- そのため、確定申告の要否が問題となる
結論の根拠
(1)「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人
退職金等の支払者が所得税額および復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。
ただし、医療費控除や寄附金控除の適用を受けるなどの理由で確定申告書を提出する場合は、確定申告書に退職所得の金額を記載する必要があります。
(2)「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人
退職金等の支払金額の20.42パーセントの所得税額および復興特別所得税額が源泉徴収されますが、受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額および復興特別所得税額の精算をします。
根拠法令等
所法30、31、120~122、199、201~203、所令72、措法29の4、所基通30-3、30-5、復興財確法28
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
退職金は、勤務先に所定の手続をしておけば、源泉徴収で課税関係が終了しますので、原則として確定申告をする必要はありません。
~中略~
退職金の支払を受けるときまでに、「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者に提出している方は、源泉徴収だけで所得税等の課税関係が終了(分離課税)しますので、原則として確定申告をする必要はありません。
ただし、医療費控除や寄附金控除の適用を受けるなどの理由で確定申告書を提出する場合は、確定申告書に退職所得の金額を記載する必要があります。「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない方は、退職金の収入金額から一律20.42%の所得税等が源泉徴収されますので、確定申告で精算することになります。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_3.htm
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