【暗記用】監査基準

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監査基準(平成30年1月4日現在最新のもの)を公認会計士試験監査論対策用に暗記しやすい形にしました。

使い方は

  • 空欄部分をクリックorタップしている間、解答が表示されます。
  • クリックorタップを放すと解答が隠れます。

論文式試験短答式試験でも重要な部分を暗記していると大きな武器になるはずです。

漫然と通読するより、隠れている部分を推定しながら通読する方がより効果的とも考えられます。

暗記用アプリ暗記カードの代わりとしてもご利用ください。







第一 監査の目的

1 財務諸表の監査の目的は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果意見として表明することにある。

財務諸表の表示が適正である旨の監査人の意見は、財務諸表には、全体として重要な虚偽の表示がないということについて、合理的な保証を得たとの監査人の判断を含んでいる。

2 財務諸表が特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される場合等には、当該財務諸表が会計の基準に準拠して作成されているかどうかについて、意見として表明することがある。

第二 一般基準

1 監査人は、職業的専門家として、その専門能力の向上と実務経験等から得られる知識の蓄積に常に努めなければならない。

2 監査人は、監査を行うに当たって、常に公正不偏の態度を保持し、独立の立場を損なう利害や独立の立場に疑いを招く外観を有してはならない。

3 監査人は、職業的専門家としての正当な注意を払い、懐疑心を保持して監査を行わなければならない。

4 監査人は、財務諸表の利用者に対する不正な報告あるいは資産の流用の隠蔽を目的とした重要な虚偽の表示が、財務諸表に含まれる可能性を考慮しなければならない。また、違法行為が財務諸表に重要な影響を及ぼす場合があることにも留意しなければならない。

5 監査人は、監査計画及びこれに基づき実施した監査の内容並びに判断の過程及び結果を記録し、監査調書として保存しなければならない。

6 監査人は、自らの組織として、すべての監査が一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して適切に実施されるために必要な質の管理(以下「品質管理」という。)の方針と手続を定め、これらに従って監査が実施されていることを確かめなければならない。

7 監査人は、監査を行うに当たって、品質管理の方針と手続に従い、指揮命令の系統及び職務の分担を明らかにし、また、当該監査に従事する補助者に対しては適切な指示、指導及び監督を行わなければならない。

8 監査人は、業務上知り得た事項を正当な理由なく他に漏らし、又は窃用してはならない。

第三 実施基準

一 基本原則

1 監査人は、監査リスクを合理的に低い水準に抑えるために、財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを評価し、発見リスクの水準を決定するとともに、監査上の重要性を勘案して監査計画を策定し、これに基づき監査を実施しなければならない。

2 監査人は、監査の実施において、内部統制を含む、企業及び企業環境を理解し、これらに内在する事業上のリスク等が財務諸表に重要な虚偽の表示をもたらす可能性を考慮しなければならない。

3 監査人は、自己の意見を形成するに足る基礎を得るために、経営者が提示する財務諸表項目に対して、実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、期間配分の適切性及び表示の妥当性等の監査要点を設定し、これらに適合した十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。

4 監査人は、十分かつ適切な監査証拠を入手するに当たっては、財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを暫定的に評価し、リスクに対応した監査手続を、原則として試査に基づき実施しなければならない。

5 監査人は、職業的専門家としての懐疑心をもって、不正及び誤謬により財務諸表に重要な虚偽の表示がもたらされる可能性に関して評価を行い、その結果を監査計画に反映し、これに基づき監査を実施しなければならない。

6 監査人は、監査計画の策定及びこれに基づく監査の実施において、企業が将来にわたって事業活動を継続するとの前提(以下「継続企業の前提」という。)に基づき経営者が財務諸表を作成することが適切であるか否かを検討しなければならない。

7 監査人は、監査の各段階において、監査役等と協議する等適切な連携を図らなければならない。

8 監査人は、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表の監査に当たっては、当該会計の基準が受入可能かどうかについて検討しなければならない。

二 監査計画の策定

1 監査人は、監査を効果的かつ効率的に実施するために、監査リスクと監査上の重要性を勘案して監査計画を策定しなければならない。

2 監査人は、監査計画の策定に当たり、景気の動向、企業が属する産業の状況、企業の事業内容及び組織、経営者の経営理念、経営方針、内部統制の整備状況、情報技術の利用状況その他企業の経営活動に関わる情報を入手し、企業及び企業環境に内在する事業上のリスク等がもたらす財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを暫定的に評価しなければならない。

3 監査人は、広く財務諸表全体に関係し特定の財務諸表項目のみに関連づけられない重要な虚偽表示のリスクがあると判断した場合には、そのリスクの程度に応じて、補助者の増員、専門家の配置、適切な監査時間の確保等の全般的な対応を監査計画に反映させなければならない。

4 監査人は、財務諸表項目に関連して暫定的に評価した重要な虚偽表示のリスクに対応する、内部統制の運用状況の評価手続及び発見リスクの水準に応じた実証手続に係る監査計画を策定し、実施すべき監査手続、実施の時期及び範囲を決定しなければならない。

5 監査人は、会計上の見積りや収益認識等の判断に関して財務諸表に重要な虚偽の表示をもたらす可能性のある事項、不正の疑いのある取引、特異な取引等、特別な検討を必要とするリスクがあると判断した場合には、そのリスクに対応する監査手続に係る監査計画策定しなければならない。

6 監査人は、企業が利用する情報技術が監査に及ぼす影響を検討し、その利用状況に適合した監査計画を策定しなければならない。

7 監査人は、監査計画の策定に当たって、財務指標の悪化の傾向、財政破綻の可能性その他継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況の有無を確かめなければならない。

8 監査人は、監査計画の前提として把握した事象や状況が変化した場合、あるいは監査の実施過程で新たな事実を発見した場合には、適宜、監査計画を修正しなければならない。

三 監査の実施

1 監査人は、実施した監査手続及び入手した監査証拠に基づき、暫定的に評価した重要な虚偽表示のリスクの程度を変更する必要がないと判断した場合には、当初の監査計画において策定した内部統制の運用状況の評価手続及び実証手続を実施しなければならない。また、重要な虚偽表示のリスクの程度が暫定的な評価よりも高いと判断した場合には、発見リスクの水準を低くするために監査計画を修正し、十分かつ適切な監査証拠を入手できるように監査手続を実施しなければならない。

2 監査人は、ある特定の監査要点について、内部統制が存在しないか、あるいは有効に運用されていない可能性が高いと判断した場合には、内部統制に依拠することなく、実証手続により十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。

3 監査人は、特別な検討を必要とするリスクがあると判断した場合には、それが財務諸表における重要な虚偽の表示をもたらしていないかを確かめるための実証手続を実施し、また、必要に応じて、内部統制の整備状況を調査し、その運用状況の評価手続を実施しなければならない。

4 監査人は、監査の実施の過程において、広く財務諸表全体に関係し特定の財務諸表項目のみに関連づけられない重要な虚偽表示のリスクを新たに発見した場合及び当初の監査計画における全般的な対応が不十分であると判断した場合には、当初の監査計画を修正し、全般的な対応を見直して監査を実施しなければならない。

5 監査人は、会計上の見積りの合理性を判断するために、経営者が行った見積りの方法の評価、その見積りと監査人の行った見積り実績との比較等により、十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。

6 監査人は、監査の実施において不正又は誤謬を発見した場合には、経営者等に報告して適切な対応を求めるとともに、適宜、監査手続を追加して十分かつ適切な監査証拠を入手し、当該不正等が財務諸表に与える影響を評価しなければならない。

7 監査人は、継続企業を前提として財務諸表を作成することの適切性に関して合理的な期間について経営者が行った評価を検討しなければならない。

8 監査人は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在すると判断した場合には、当該事象又は状況に関して合理的な期間について経営者が行った評価及び対応策について検討した上で、なお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるか否かを確かめなければならない。

9 監査人は、適正な財務諸表を作成する責任は経営者にあること、財務諸表の作成に関する基本的な事項、経営者が採用した会計方針、経営者は監査の実施に必要な資料を全て提示したこと及び監査人が必要と判断した事項について、経営者から書面をもって確認しなければならない。

四 他の監査人等の利用

1 監査人は、他の監査人によって行われた監査の結果を利用する場合には、当該他の監査人によって監査された財務諸表等の重要性、及び他の監査人の品質管理の状況等に基づく信頼性の程度を勘案して、他の監査人の実施した監査の結果を利用する程度及び方法を決定しなければならない。

2 監査人は、専門家の業務を利用する場合には、専門家としての能力及びその業務の客観性を評価し、その業務の結果が監査証拠として十分かつ適切であるかどうかを検討しなければならない。

3 監査人は、企業の内部監査の目的及び手続が監査人の監査の目的に適合するかどうか、内部監査の方法及び結果が信頼できるかどうかを評価した上で、内部監査の結果を利用できると判断した場合には、財務諸表の項目に与える影響等を勘案して、その利用の程度を決定しなければならない。

第四 報告基準

一 基本原則

1 監査人は、適正性に関する意見を表明する場合には、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見を表明しなければならない。なお、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表については、当該財務諸表が当該会計の基準に準拠して、上記と同様にすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見を表明しなければならない。

監査人は、準拠性に関する意見を表明する場合には、作成された財務諸表が、すべての重要な点において、財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成されているかどうかについての意見を表明しなければならない。

監査人は、準拠性に関する意見を表明する場合には、適正性に関する意見の表明を前提とした以下の報告の基準に準じて行うものとする。

2 監査人は、財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して適正に表示されているかどうかの判断に当たっては、経営者が採用した会計方針が、企業会計の基準に準拠して継続的に適用されているかどうかのみならず、その選択及び適用方法が会計事象や取引を適切に反映するものであるかどうか並びに財務諸表の表示方法が適切であるかどうかについても評価しなければならない。

3 監査人は、監査意見の表明に当たっては、監査リスクを合理的に低い水準に抑えた上で、自己の意見を形成するに足る基礎を得なければならない。

4 監査人は、重要な監査手続を実施できなかったことにより、自己の意見を形成するに足る基礎を得られないときは、意見を表明してはならない。

5 監査人は、意見の表明に先立ち、自らの意見が一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して適切に形成されていることを確かめるため、意見表明に関する審査を受けなければならない。この審査は、品質管理の方針及び手続に従った適切なものでなければならない。品質管理の方針及び手続において、意見が適切に形成されていることを確認できる他の方法が定められている場合には、この限りではない。

二 監査報告書の記載区分

1 監査人は、監査報告書において、監査の対象、経営者の責任、監査人の責任、監査人の意見を明瞭かつ簡潔にそれぞれを区分した上で、記載しなければならない。ただし、意見を表明しない場合には、その旨を監査報告書に記載しなければならない。

2 監査人は、財務諸表の記載について強調する必要がある事項及び説明を付す必要がある事項を監査報告書において情報として追記する場合には、意見の表明とは明確に区別しなければならない。

三 無限定適正意見の記載事項

監査人は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示していると認められると判断したときは、その旨の意見(この場合の意見を「無限定適正意見」という。)を表明しなければならない。この場合には、監査報告書に次の記載を行うものとする。

(1)監査の対象

監査対象とした財務諸表の範囲

(2)経営者の責任

財務諸表の作成責任は経営者にあること、財務諸表に重要な虚偽の表示がないように内部統制を整備及び運用する責任は経営者にあること

(3)監査人の責任

監査人の責任は独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあること

一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行ったこと、監査の基準は監査人に財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求めていること、監査は財務諸表項目に関する監査証拠を得るための手続を含むこと、監査は経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りの評価も含め全体としての財務諸表の表示を検討していること、監査手続の選択及び適用は監査人の判断によること、財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないこと、監査の結果として入手した監査証拠が意見表明の基礎を与える十分かつ適切なものであること

(4)監査人の意見

経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示していると認められること

四 意見に関する除外

1 監査人は、経営者が採用した会計方針の選択及びその適用方法、財務諸表の表示方法に関して不適切なものがあり、その影響が無限定適正意見を表明することができない程度に重要ではあるものの、財務諸表を全体として虚偽の表示に当たるとするほどではないと判断したときには、除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。この場合には、別に区分を設けて、除外した不適切な事項及び財務諸表に与えている影響を記載しなければならない。

2 監査人は、経営者が採用した会計方針の選択及びその適用方法、財務諸表の表示方法に関して不適切なものがあり、その影響が財務諸表全体として虚偽の表示に当たるとするほどに重要であると判断した場合には、財務諸表が不適正である旨の意見を表明しなければならない。この場合には、別に区分を設けて、財務諸表が不適正であるとした理由を記載しなければならない。

五 監査範囲の制約

1 監査人は、重要な監査手続を実施できなかったことにより、無限定適正意見を表明することができない場合において、その影響が財務諸表全体に対する意見表明ができないほどではないと判断したときには、除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。この場合には、別に区分を設けて、実施できなかった監査手続及び当該事実が影響する事項を記載しなければならない。

2 監査人は、重要な監査手続を実施できなかったことにより、財務諸表全体に対する意見表明のための基礎を得ることができなかったときには、意見を表明してはならない。この場合には、別に区分を設けて、財務諸表に対する意見を表明しない旨及びその理由を記載しなければならない。

3 監査人は、他の監査人が実施した監査の重要な事項について、その監査の結果を利用できないと判断したときに、更に当該事項について、重要な監査手続を追加して実施できなかった場合には、重要な監査手続を実施できなかった場合に準じて意見の表明の適否を判断しなければならない。

4 監査人は、将来の帰結が予測し得ない事象又は状況について、財務諸表に与える当該事象又は状況の影響が複合的かつ多岐にわたる場合には、重要な監査手続を実施できなかった場合に準じて意見の表明ができるか否かを慎重に判断しなければならない。

六 継続企業の前提

1 監査人は、継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるが、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合において、継続企業の前提に関する事項が財務諸表に適切に記載されていると判断して無限定適正意見を表明するときには、継続企業の前提に関する事項について監査報告書に追記しなければならない。

2 監査人は、継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるが、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合において、継続企業の前提に関する事項が財務諸表に適切に記載されていないと判断したときには、当該不適切な記載についての除外事項を付した限定付適正意見を表明するか、又は、財務諸表が不適正である旨の意見を表明し、その理由を記載しなければならない。

3 監査人は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して経営者が評価及び対応策を示さないときには、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるか否かを確かめる十分かつ適切な監査証拠を入手できないことがあるため、重要な監査手続を実施できなかった場合に準じて意見の表明の適否を判断しなければならない。

4 監査人は、継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切でない場合には、継続企業を前提とした財務諸表については不適正である旨の意見を表明し、その理由を記載しなければならない。

七 追記情報

監査人は、次に掲げる強調すること又はその他説明することが適当と判断した事項は、監査報告書にそれらを区分した上で、情報として追記するものとする。

(1)正当な理由による会計方針の変更
(2)重要な偶発事象
(3)重要な後発事象
(4)監査した財務諸表を含む開示書類における当該財務諸表の表示とその他の記載内容との重要な相違

八 特別目的の財務諸表に対する監査の場合の追記情報

監査人は、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表に対する監査報告書には、会計の基準、財務諸表の作成の目的及び想定される主な利用者の範囲を記載するとともに、当該財務諸表は特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成されており、他の目的には適合しないことがある旨を記載しなければならない。

また、監査報告書が特定の者のみによる利用を想定しており、当該監査報告書に配布又は利用の制限を付すことが適切であると考える場合には、その旨を記載しなければならない。

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