暗記用の原価計算基準です。
公認会計士試験 管理会計の対策に。
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論文式試験や短答式試験ではスピードが求められるので、暗記しておくと大きな武器になります。
原価計算基準
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前文 原価計算基準の設定について
第一章 原価計算の目的と原価計算の一般基準
第二章 実際原価の計算
七 実際原価の計算手続
実際原価の計算においては、製造原価は、原則として、その実際発生額を、まず費目別に計算し、次いで原価部門別に計算し、最後に製品別に集計する。販売費および一般管理費は、原則として、一定期間における実際発生額を、費目別に計算する。
第一節 製造原価要素の分類基準
八 製造原価要素の分類基準
原価要素は、製造原価要素と販売費および一般管理費の要素に分類する。
製造原価要素を分類する基準は次のようである。
(一) 形態別分類
形態別分類とは、財務会計における費用の発生を基礎とする分類、すなわち原価発生の形態による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを材料費、労務費および経費に属する各費目に分類する。
材料費とは、物品の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。
- 素材費(又は原料費)
- 買入部品費
- 燃料費
- 工場消耗品費
- 消耗工具器具備品費
労務費とは、労務用役の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。
- 賃金(基本給のほか割増賃金を含む。)
- 給料
- 雑給
- 従業員賞与手当
- 退職給与引当金繰入額
- 福利費(健康保険料負担金等)
経費とは、材料費、労務費以外の原価要素をいい、減価償却費、たな卸減耗費および福利施設負担額、賃借料、修繕料、電力料、旅費交通費等の諸支払経費に細分する。
原価要素の形態別分類は、財務会計における費用の発生を基礎とする分類であるから、原価計算は、財務会計から原価に関するこの形態別分類による基礎資料を受け取り、これに基づいて原価を計算する。この意味でこの分類は、原価に関する基礎的分類であり、原価計算と財務会計との関連上重要である。
(二) 機能別分類
機能別分類とは、原価が経営上のいかなる機能のために発生したかによる分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを機能別に分類する。この分類基準によれば、たとえば、材料費は、主要材料費、および修繕材料費、試験研究材料費等の補助材料費、ならびに工場消耗品費等に、賃金は、作業種類別直接賃金、間接作業賃金、手待賃金等に、経費は、各部門の機能別経費に分類する。
(三) 製品との関連における分類
製品との関連における分類とは、製品に対する原価発生の態様、すなわち原価の発生が一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかの性質上の区別による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを直接費と間接費とに分類する。
- 直接費は、これを直接材料費、直接労務費および直接経費に分類し、さらに適当に細分する。
- 間接費は、これを間接材料費、間接労務費および間接経費に分類し、さらに適当に細分する。
必要ある場合には、直接労務費と製造間接費とを合わせ、又は直接材料費以外の原価要素を総括して、これを加工費として分類することができる。
(四) 操業度との関連における分類
操業度との関連における分類とは、操業度の増減に対する原価発生の態様による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを固定費と変動費とに分類する。ここに操業度とは、生産設備を一定とした場合におけるその利用度をいう。固定費とは、操業度の増減にかかわらず変化しない原価要素をいい、変動費とは、操業度の増減に応じて比例的に増減する原価要素をいう。
ある範囲内の操業度の変化では固定的であり、これをこえると急増し、再び固定化する原価要素たとえば監督者給料等、又は操業度が零の場合にも一定額が発生し、同時に操業度の増加に応じて比例的に増加する原価要素たとえば電力料等は、これを準固定費又は準変動費となづける。
準固定費又は準変動費は、固定費又は変動費とみなして、これをそのいずれかに帰属させるか、もしくは固定費と変動費とが合成されたものであると解し、これを固定費の部分と変動費の部分とに分類する。
(五) 原価の管理可能性に基づく分類
原価の管理可能性に基づく分類とは、原価の発生が一定の管理者層によって管理しうるかどうかの分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを管理可能費と管理不能費とに分類する。下級管理者層にとって管理不能費であるものも、上級管理者層にとっては管理可能費となることがある。