【金融商品会計】リコース義務・買戻権・回収サービス業務資産

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下記に基づき金融資産の消滅に係る取引について譲渡益の金額を求めよ。

帳簿価額3600千円の債権を第三者に現金3800千円で譲渡し、譲渡資産の回収代行業務を行う。

※当社は買戻権を持つとともに、延滞債権を買い戻すリコース義務を負う。

現金収入・回収サービス業務資産・買戻権・リコース義務のそれぞれの時価は次のとおり。

  • 現金収入:3800千円
  • 回収サービス業務資産:100千円
  • 買戻権:300千円
  • リコース義務:200千円

» 正解は・・・

【解答】390千円

回収サービス業務は、当該金融資産を譲渡してもしなくても、どちらにせよ存在するものである。

そのため、回収サービスに係る部分は、当該金融資産の残存部分と言える。

譲渡益の金額を求めるには、まず金融資産の帳簿価額のうち、回収サービス業務に係る部分の金額を求める必要がある。

現状、回収サービス業務資産の「時価」は100千円と判明しており、当該金融資産の「時価」は与えられた情報から計算可能である。

金融資産の「時価」は

3800 + 100 + 300 – 200 = 4000 千円 と計算できる。

次に、当該金融資産の簿価 3600千円を「残存部分」とそれ以外に按分を行う。

3600 * 100 / 4000 = 90

上記より、金融資産の簿価の中の90千円が残存部分と計算できる。

借方 貸方
 残存部分 90 リコース義務 200
 買戻権 300 貸付金 3600
 現金 3800

となり、貸借差額により譲渡益390千円が計算できる。

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仮に、上記において、回収サービス業務資産の時価が推定できないケースを考えるとき、譲渡益の金額はいくらになるか?

その他の条件は上記と同様であるとする。

» 正解は・・・

【解答】300千円

回収サービス業務資産の時価が推定できない場合には、保守主義の原則に基づき、残存部分を0として考える。

借方 貸方
 残存部分 0 リコース義務 200
 買戻権 300 貸付金 3600
 現金 3800

貸借差額より300千円と導出できる。

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さらに、回収サービス業務資産・リコース義務の時価がともに推定できないケースを考えるとき、譲渡益の金額はいくらになるか?

その他の条件は上記と同様であるとする。

» 正解は・・・

【解答】0千円

借方 貸方
買戻権 300 貸付金 3600
現金 3800 リコース義務 500

リコース義務が合理的に推定できない場合には、譲渡益が0となるようにし、リコース義務を算定する。

そのため、譲渡益は0である。

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